宇宙戦争のVTRを見て

カスみたいだ。50年前に見た「宇宙戦争」は感動したが・・・・
筋運びは大筋で原作通りだが、ポイントが大きく移動している。作者の哲学が取り除かれている。
H.G.ウエルズの意図するところは「異星人が滅びたのは地球の細菌に因ってであり、武力闘争の結果ではない」であるが、それだけではない。
幾つもの情緒に訴えるシーンがある。
1.パニックに陥った女性を助けて隠れた農家で女性は母性に目覚めて助けてくれた男性のために目玉焼きを作る。
2.突然襲ってきた隕石で農家は潰れ負傷した男性が気がつくと女性の介護を受けているが現実は厳しく更に悪化している。
3.すぐ近くまで迫ってくるセンサーはB.G.Rのフィルターで構成されていて男性はこれを叩っ切る。
4.科学者が計算すると人類は7日間で滅ばされることがわかり、創世記の人類誕生のドラマの正反対である。
5.女とはぐれた男性は失望して教会にむかう。