怯える助手

私の言葉の真意を理解できずに居る助手(そしてパートナー)。
度重なる彼女のこの様な言動に、次の段階の行動に移る。
朱美の場合は、顔の形が変わっても怯えることなく、
平然とした態度を装って後始末をしていたが、美絵は違った。
怯えきって泣きじゃくり、私が近づくと
=怖いー!=と叫びながら身を引いた。
なぜこんな酷いことをするの? なぜ怒るの? なぜ優しくしてくれないの?
眼を真っ赤にしてコンタクトレンズが流れて、苦しみながらも、
トウシューズのリボンの縫いつける手は休まずに動く。
怯えてガタガタと震えながら私の動きを注視しつつの作業である。
インターネットで見つけて希望に燃えて入会した場所は
言動を誤ると修羅場と化す。
“入会以来2年!上達したね。小池のボートが今では急流を下る頑丈な
船にまで育った。この先は、大海を航行するヨットを目指そうね、
決して大型豪華客船なんかを望む必要はないよ”
=私は、どうせなら大型豪華客船に乗りたい。そのくらいの望みを持ちたい。
会社を辞めて先生の元で働くのであればその位の希望を持ちたい=
“いや僕の言葉の意味は大きな希望を削ぐモノではない。
大海を航行するヨットを目指す事が何故いけないのか?
何時も僕の思いの真意が伝わらない! 何故か?”
僕に従うか、修羅場を繰り返して次第に精神を破壊するか、どちらを選ぶかは
自由。
繰り返される暴行に、次第に萎縮する我がパートナーで有った。